まず“黒いシミ”の正体を仮説立て
カメラに写り込む黒いシミ(黒点・斑点)は、大きく ①外側レンズ(カバー)由来、②内部カメラモジュール由来、③基板/制御由来 に分かれます。見分けのコツは、条件を変えても位置や形が再現するか、レンズを切り替えると出方が変わるか の2点です。
ワンポイント:
写真には出るが画面プレビューや他アプリのカメラでも同じ位置に見える→ハード側の可能性大。スクリーンショットで黒点が写るかは無関係(画面表示のノイズではないため)。
写真には出るが画面プレビューや他アプリのカメラでも同じ位置に見える→ハード側の可能性大。スクリーンショットで黒点が写るかは無関係(画面表示のノイズではないため)。
その場でできるセルフ切り分け5ステップ
- 白壁テスト:白い壁やノート、曇天の空など均一色を撮影。同じ位置に濃い影が出るかチェック。
- 超広角・望遠・インカメラに切替:特定のレンズでのみ出るなら、そのレンズの問題。どのレンズでも出るなら基板/制御の可能性が上がります。
- ズームで挙動確認:黒点の大きさや位置がズームで相対的に動く→レンズ面のチリ/傷。ほぼ固定→センサー上の異物や画素不良寄り。
- ライトで外レンズ確認:懐中電灯を斜めから当て、欠け/クラック/点状の付着がないか肉眼で確認。
- ケース/保護ガラスを外す:カメラ周囲の干渉・ケラレ、貼り付け時の糊にじみなどを除外。
注意:綿棒+アルコールでの強拭きは、撥油コートを剥がす・微細な傷を増やす恐れ。クリーニングは
極細繊維クロス+息の湿気程度が安全です。
主な原因と特徴(レンズ/内部カメラ/基板)
① 外側レンズ・ベゼル起因
- ガラスカバーの欠け・ヒビ:点状の黒影や放射状ににじむ。
- 指紋・皮脂・糊:光源の周りが霞み、逆光で目立つ。湿拭きで改善。
- ケースや保護リングのケラレ:四隅が暗くなる(ビネット)。
- 微細なホコリ付着:ズームで相対的に動きやすい。
② 内部カメラモジュール起因
- センサー上の異物:黒点が常に同じ位置。搖すったり軽叩きで微妙に形が変わることも。
- OIS(手ぶれ)機構のズレ:黒い影というより周辺の流れ/二重像。シャッター半押しで音が鳴る機種も。
- モジュール内部結露・カビ:曇り→斑点化。温度で症状が増減。
- 画素欠陥(デッド/ホットピクセル):微小な点が特定の色で出続ける。動画でも固定。
③ 基板/制御・ソフト寄り
- ISP/給電ライン不良:全レンズでノイズ斑や縦縞、突然の黒つぶれ。
- OS/アプリ側:特定アプリのみ。標準カメラでは再現しないことが多い。
- 落下ダメージの後遺症:しばらくしてから症状悪化(コネクタ緩み)。
| 症状 | 考えやすい原因 | 試すこと |
|---|---|---|
| 超広角では出ないが広角で出る | 広角モジュール/カバー | カバー清掃→不可なら広角ユニット交換 |
| 全レンズで同位置に出る | 基板/制御・映像合成 | 再起動/OS更新→基板診断 |
| ズームで点が相対移動 | 外レンズ面の付着 | クロス清掃・保護ガラス見直し |
| 温度で症状変化 | 内部結露/OIS不調 | 乾燥・温度平衡→改善なければ分解清掃 |
修理の可否と目安時間・費用感
一般的に、外側レンズ(カメラカバー)交換またはカメラユニット交換で解決します。基板不良まで進んでいる場合は、基板の回路修理やカメラ駆動ラインのリワークが必要です。
- 外側レンズ交換:割れ/欠け/深い傷。作業目安:60〜120分/データ初期化不要
- カメラユニット交換:センサー異物・OIS不良・画素欠陥。作業目安:30〜90分/機種依存
- 分解清掃:軽度のチリ・曇り。作業目安:30〜60分
- 基板修理:映像処理/給電ライン障害。作業目安:数時間〜/内容診断後
重要:一部機種はカメラ交換後に再キャリブレーションが必要です。純正アプリの機能制限が残る場合があるため、事前にご案内します。
黒いシミが出たままの撮影は“思い出が欠ける”リスク。早めの診断で、旅行・行事・発表会に間に合わせましょう。
データ保持・注意点
- 基本はデータそのままで作業可能。念のため最新バックアップを推奨。
- Face ID/指紋センサー連携部位は個体紐付けのため、関与しない方法を優先します。
- 防水テープは再施工しますが、完全防水の再現は不可。水辺撮影はケースで対策を。
再発防止と日常ケア
- 撮影前にレンズをサッとひと拭き(極細繊維クロス常備)。
- リング付きケースや厚枠保護はケラレ注意。試し撮りで四隅を確認。
- 急な気温差の持ち込みを避け、内部結露を防ぐ(冬場の屋外→室内など)。
- アウトドア後は砂塵をブロアで除去し、乾拭き→必要に応じてコーティング。
よくある質問
Q. 黒い点が動画だけで目立ちます。
A. OISの挙動や高感度ノイズで強調されることがあります。白壁テスト+静止画でも出るか確認を。静止画でも出る→ハード寄りの可能性が高いです。
Q. クリーニングで直るケースは?
A. 外レンズの皮脂/糊跡、軽いチリ付着は清掃で改善します。割れ/欠けや内部異物は清掃のみでは解消しません。
Q. 交換と基板修理の見極めは?
A. レンズ切替で限定される→該当レンズのユニット交換が第一候補。全レンズで同時発生・縦縞や画面全体の乱れ→基板診断が必要です。
店舗情報・ご相談方法
リペアフォース秋葉原店
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-14 第2東ビル303 rampart店内
営業時間:平日 12:00–20:00/土日祝 11:00–19:00
秋葉原駅(昭和通り口)徒歩10秒
持ち込み前チェック
- 白壁テストのスクリーンショット
- 超広角/望遠での再現有無
- 最近の落下や水濡れの有無
WEB予約:フォームから24時間受付/混雑時も優先でご案内します。
黒いシミは“撮り直しの効かない瞬間”を台無しにします。症状が出たら、まずは切り分け→早めのメンテを。