① 画面・フレームの割れ/歪みを“見る”

まずは外観チェック。ガラスのヒビ、角の欠け、フレームの歪みがないか、光にかざして確認します。フレームが曲がるとディスプレイや基板に長期的ストレスがかかり、後日タッチ不良や発熱につながることがあります。ケースを使用していても、角打ちは衝撃が集中しやすい要注意ポイントです。

• 画面の端〜ベゼルにクモの巣状のヒビはないか
• ガラスとフレームの“段差”や浮き上がりがないか
• 背面ガラスの割れ/カメラ島の欠けはないか
• フレームに直線的でない“波打ち”がないか

② タッチ/表示の異常を“触る・試す”

見た目が無事でも、内部の液晶/有機ELやタッチセンサーへダメージが残ることがあります。以下の簡易セルフテストで確認しましょう。

• 画面全体を指でなぞり、反応しない帯やゴーストタッチが出ないか
• 白背景/黒背景で縦横のスジ・滲み・焼き付きが見えないか
• 明るさを上下して、ちらつきや一瞬の消灯がないか
• スリープ解除/ロック時に色むらが出ないか

③ カメラ/センサーの異常を“映す”

落下直後はカメラユニットの手ぶれ補正(OIS)のズレやレンズ割れ、保護ガラスの微細欠けが出やすい箇所。駅ホームなどの埃や水滴も相まって、見落としがちです。

• 標準/広角/望遠で試写し、黒点・にじみ・カタカタ音がないか
• 動画で歩行し、ブレ収束が異常に遅い・ジジジ音がしないか
• フロントカメラで顔認証が通るか、近接/環境光センサーで画面消灯が正常か

④ 端子まわり（充電口/ボタン/スピーカー）を“守る”

落下地点が駅の床や路面だと、砂粒がUSB-C/Lightningやスピーカーグリルに入りやすく、接触不良の原因に。むやみにピンや綿棒を差し込まず、まずは以下を。

• そっと目視：金属端子の曲がり/欠けはないか
• ボタン類（音量/電源/サイレント）が引っかからずカチッと戻るか
• 通話テストで相手に声が届くか/相手の声が聞こえるか

落とした直後のNG行為

• 強く押し込む・曲げる：フレーム歪みが拡大
• 濡れた布で拭く/息を吹きかける：マイク・スピーカーから侵入
• 歪みを手で矯正：見えない層のクラック悪化
• ピンや綿棒で端子掃除：端子バネ破損で充電不可に

現場でできる応急処置

1. 通信遮断：誤作動がある場合は機内モード→電源OFF
2. 保護：割れがあるなら画面に薄いマスキングテープ等で仮固定
3. 乾燥：濡れ/結露が疑われるならカバン外の風通しへ（米びつ投入は不可）
4. バックアップ：動くうちに写真/連絡先/2段階認証コードを即保存

修理に出す判断基準（通勤中の“あるある”症状）

• ヒビが端まで伸びている/ガラス片がポロポロ落ちる
• 黒いシミ・緑や紫の縦線・タッチ無反応/暴走がある
• カメラでカタカタ音・ピントが合わない・映像が震える
• 充電ケーブルの角度で通電が変わる/接続音が出ない
• 発熱/焦げ臭/異音（ジジジ…）がある → 即電源OFFでご相談

上記のいずれかに該当すれば、早期のパーツ交換で二次被害（基板故障やデータ損失）を防げる可能性が高いです。見た目が軽傷でも、翌日以降に症状が出る遅延故障もあります。気になる違和感があれば、念のため診断をご利用ください。

次に備える再発防止策

• 衝撃吸収ケース：四隅のエアクッション/ストラップ穴付きが通勤向き
• ストラップ/リング：階段や改札で“落としそう”な瞬間に効く最後の保険
• ガラスコーティング＋保護ガラス：指滑り/指紋低減で取り回し向上
• バッグ内の定位置：鍵や金属と分離、外ポケットはファスナー付きに
• 定期バックアップ：毎日深夜の自動実行をONに

よくある質問

Q. すぐは問題なし。様子見でもいい？

A. 表示/タッチに違和感がゼロなら通勤後のバックアップを。翌日以降に症状が出たら早めのご相談をおすすめします。

Q. 保証やAppleCare+は使える？

A. ガラス割れ等は対象のことが多いですが、予約枠とデータ保持の観点で当店での即日修理をご利用いただく方も多いです。お好きな方法をお選びください。

Q. 社用スマホの場合は？

A. まずは社内ルールに従い、勝手な分解/ログ削除は行わないでください。診断書の発行や見積もりが必要な場合も対応可能です。