よくある症状と“交換”適応のめやす

ドックコネクタ（充電ポート）は、充電・データ通信・機種によってはマイク／アンテナ／バイブ接点なども兼ねる重要パーツです。次のような症状は、部品の摩耗や接点劣化、基板側パターンの損耗、異物侵入が疑われます。

• ケーブルを特定の角度にしないと通電しない／抜けやすい
• 同じ充電器でも、他端末はOKなのに自分の端末だけ不安定
• PCに繋いでも認識と切断を繰り返す（データ転送が不安定）
• 端子内部のラッチ感がスカスカ・端子のピン曲がりが見える
• 通話時に相手に声が届かない／こもる（下マイク一体型機種）

交換前にやっておくセルフチェック

1）充電器・ケーブルの相性確認

純正または認証品（MFi／USB-IF）で複数本を試し、充電器側ポート・ケーブル・端末のどこに原因があるか切り分けます。急速充電器ではなく、通常出力（5V）のアダプタも試すと傾向が掴めます。

2）ポート内の異物・繊維の除去

ポケットの糸くずや皮脂でラッチが浅くなることがよくあります。電源オフのうえ、木製つまようじかエアダスターでやさしく除去。金属ピンや針はショートの危険があるため避けましょう。

3）水濡れ・結露の有無

直前の雨天使用やキッチン使用、浴室での湿気などは要注意。最近の端末には液体侵入インジケータがあり、発動時は充電制御が働く場合があります。完全乾燥まで数時間〜半日待つと改善することも。

4）バックアップと画面ロック

修理前にはiCloud/Googleへのバックアップ、端末のロック解除方法（パスコード・Face/Touch ID）をご準備ください。データは基本そのままですが、万一に備えます。

修理時の注意点（モデル別の要点も）

※ 当店では、開封後は新しい防水粘着を施工し、主要機能（充電・データ・マイク・スピーカー・バイブ接点・カメラ起動時の電流変動）を確認してご返却します。

交換後に長持ちさせるコツ

1）抜き差しは“まっすぐ・ゆっくり”

端子は上下方向のこじりに弱いです。片手ではなく端末を支え、まっすぐゆっくり抜き差し。カバーで差し込みが浅くなる場合は、ポート周囲が広いケースに変更を。

2）認証ケーブルを使う

MFiやUSB‑IF認証のケーブルは端子精度・シールドが安定。PD充電は特にE-marker内蔵品質が重要です。激安ケーブルは端子摩耗が早く、火傷・発熱リスクも。

3）埃対策と定期清掃

ポケット運用が多い方は、防塵プラグやキャップ付きケースも有効。月1回を目安に電源オフでエアダスター。接点復活剤の噴霧は厳禁（樹脂劣化やショートの恐れ）。

4）湿気・水場を避ける

浴室・台所での充電はNG。水蒸気は端子に電解腐食を起こします。雨天時の屋外充電も避け、濡れた手での抜き差しは行わないでください。

5）ワイヤレス充電の“使い分け”

ポート寿命を温存したい場合は、日常はQi/磁気充電、外出や車内ではケーブル、といったハイブリッド運用が現実的。発熱が大きいケースはバッテリー劣化を招くため、ケース厚や位置ズレに注意。

6）車内環境に注意

車の振動・極端な高温で端子摩耗が進みます。マグネット式ケーブルは便利ですが、鉄粉付着や端子ショートの事故例あり。定期的に端子面を確認しましょう。

やりがちなNGケア

• ピンセット・針での清掃（ショート／ピン曲げの原因）
• アルコールや接点復活剤の多量塗布（樹脂・接着剤を劣化）
• ケーブルを引っ張って抜く（端子・ラッチ破損）
• 濡れたまま通電再開（腐食・IC破損のトリガー）

よくある質問

Q. 交換でデータは消えますか？

A. 一般的なドックコネクタ交換でデータは消えません。ただし万一に備えてバックアップ推奨です。

Q. 交換すれば防水は元に戻りますか？

A. 開封によりメーカー出荷時同等の防水性能は保証できません。新しい粘着を施工して密着度は回復しますが、水場での使用は控えてください。

Q. マイク不良も一緒に直りますか？

A. 多くの機種で下マイクはドック一体のため、同時に改善するケースが多いです。別要因（アプリ権限・ノイズ侵入・上マイク）もあるため、店頭で総合診断します。

Q. ケーブルがすぐ緩くなる…対策は？

A. ケース干渉・埃・非認証ケーブルが主因です。ケース交換・清掃・認証品の利用で大きく改善します。