釣り場で増える“想定外”の水没リスク
手が塞がる・濡れる・滑る
- ロッド・タモ・クーラーで片手操作になり落下
- 濡れた手+塩分でグリップ力低下
- 藻・砂・泥でケースやボタンが固着
環境要因による内部汚染
- 海風の塩霧、砂塵の微粒子が開口部から侵入
- 藻・泥を含む水は乾燥後に結晶/不純物残留
- 波や落下の瞬間水圧は規格想定外
対策:フローティングストラップ、ネックストラップ、ベルトクリップの併用で「落ちても沈まない・離さない」を作る。
「IP68だから安心」は誤解?規格の限界
IP68は静止した真水・常温・規定時間/深度のテスト値で、海水や流水、温度差、落下衝撃は範囲外。さらにパッキンや接着剤は経年劣化し、購入時の耐水性は永続しません。
- 微細なフレーム歪み/画面ヒビで耐水は急低下
- スピーカー/マイク/ボタン/トレイは弱点
- メーカー保証は水没を対象外とするのが一般的
海水・汽水・泥が致命傷になる理由
海水は電解質を多く含み、基板上でショートと腐食を加速させます。汽水や泥・藻が混じる水も乾燥後に結晶や不純物が残り、充電不良・音こもり・カメラ曇りなどを誘発します。
見た目が乾いても内部には塩分/水分が残留します。「使える=安全」ではありません。
温度差・波圧・衝撃の複合ダメージ
冷えた早朝から日中の直射日光へ、そして突然の落水。内部の空気が収縮/膨張し負圧で吸水が起きやすくなります。波の動圧や落下の瞬間水圧も加わり、短時間でも浸水に至ります。
落水直後のNG行為と正しい応急処置
絶対NG
- 振る・叩く(内部に水分を拡散)
- 充電する(ショート/腐食を加速)
- ドライヤー・直射日光(熱膨張/結晶化)
- 米に埋める(乾燥不十分・粉侵入)
正しい初動
- 電源を切る(反応しなければ放置)
- ケース/アクセ/ SIM を外し、繊維の出ない布で押さえ拭き
- 海水の場合は外装の塩分を軽く真水で流す(内部に入れない)
- シリカゲルと一緒に密閉・水平保管
- 電源/充電はNGのまま、専門店へ
重要:海水は腐食が速いので、可能なら当日中の洗浄が望ましいです。
水没後に出やすい症状チェック
音・充電まわり
- スピーカーがこもる/通話が聞き取りづらい
- 充電できない・発熱する・ケーブルを選ぶ
表示・カメラ・電源
- 画面に縞/シミ・タッチ不良
- カメラが曇る/黒点・ゴミ
- 突然のシャットダウン・再起動ループ
釣行前の予防チェックリスト
- フローティング/ネックストラップを装着
- 防水ケースは毎回パッキン清掃&閉まり確認
- 画面/背面ガラスのヒビ点検(あれば事前修理)
- 濡れた手での操作を最小限にし音声操作を活用
- 海水想定時は端子周りに電子機器用防錆剤
- 緊急連絡先と位置共有アプリを事前設定
よくある質問
Q. 海に落としてすぐ拾い、普通に使えています。大丈夫?
A. 内部に塩分が残っている可能性が高く、数日〜数週間後に不調が出る例が多いです。早期洗浄をおすすめします。
Q. 乾燥剤で数日置けば直りますか?
A. 乾燥剤は水分除去の補助に過ぎず、塩分/不純物は残留します。海水は専門洗浄が必要です。
Q. 真水で洗ってもいい?
A. 外装に付着した海水の軽い洗浄は有効ですが、内部に水を入れないよう細心の注意が必要。分解は専門店へ。
店舗情報(リペアフォース秋葉原店)
落下防止の工夫と正しい初動、そして早期の専門洗浄で復旧率は大きく変わります。迷ったらまずはご相談ください。