まずは症状の切り分け

「暗い」「ピントが合わない」といっても、原因は大きく 外的要因／設定・ソフト／ハード故障 の3系統に分かれます。室内の逆光や照度不足、レンズ面の汚れ・曇り、保護フィルムやケースの縁がセンサーを覆っている、といった外的要因が最も多い一方、環境光センサー・近接センサーの誤作動や、前面カメラモジュール（AF機構含む）の不良で発生することもあります。

自分でできるチェック（5分）

• 前面ガラスを乾いたマイクロファイバーで拭く（油膜・指紋・日焼け止め・ファンデ除去）。
• 保護フィルムの穴位置を確認。カメラとセンサー（点）が半分でも隠れていないか。
• ケースの立ち上がりがレンズ端にかかっていないか。外して比較撮影。
• カメラアプリを標準アプリに切り替え、HDRやフィルターをオフ、AE/AFロックを解除。
• 明るい場所（屋外日陰など）で再テスト。背面カメラは正常かも併せて確認。
• 再起動→セーフモード（Android）で起動し、他アプリ干渉を切り分け。

設定・ソフトが原因のケース

① 露出・HDR・フィルターの設定

露出をマイナスにドラッグしていたり、HDRや美肌補正が暗所で破綻すると、黒つぶれや肌のノイズ増が起こります。標準カメラで初期化（設定リセット）を試しましょう。

② アプリ権限・プライバシー

サードパーティアプリでのみ暗い／ピントが合わない場合、カメラ権限・露出制御の最適化が働かないことがあります。アプリの権限とカメラ設定を見直し、最新バージョンに更新してください。

③ 一時的なOSの不具合

OSアップデート直後に発生する描画・露出バグは、再起動や設定のリセット、キャッシュクリアで解消するケースがあります。解消しない場合は既知の不具合情報を確認のうえ、パッチ適用を待つか点検をご検討ください。

ハード故障が疑われるサイン

やってはいけない対処

• 針・綿棒を差し込んで穴をほじる（センサーを傷つけます）。
• アルコールを大量に噴きかける（防水ゲルやコーティングが剥離）。
• 結露時にドライヤーの熱風を近距離で当てる（歪み・接着不良）。
• 非純正の磁石付きフラップケースを装着したまま撮影（センサー誤作動の要因）。

修理メニューと目安時間

店頭では症状とテスト結果に応じて、以下の順にご提案します。いずれもデータはそのままの状態で対応可能です。

1. クリーニング＆再組付け：前面ガラス周辺の清掃、センサー窓の透過確認、パーツ座りの調整（目安20〜40分）。
2. 前面カメラモジュール交換：AF不良・画素欠け・ノイズ等（目安40〜90分）。
3. センサーフレックス交換：近接/環境光の誤作動（機種依存、Face ID等の制約は都度ご案内）。
4. 前面パネル交換：レンズカバー割れ・一体型機種での遮光・浮き上がり（機種依存、要事前診断）。
5. 水濡れ点検・洗浄：結露・腐食の疑い（即日可、重度はお預かり）。

よくある質問

Q. ナイトモードでも暗いです。故障ですか？

A. ナイトモードは多枚数合成のため、被写体や手振れで暗くなることがあります。明るい場所でも暗いならセンサー遮光やモジュール不良の可能性が高いです。

Q. 自分で前面カメラを交換しても大丈夫？

A. 機種により生体認証のリンクや初期化が関係するため、自己交換は推奨しません。周辺センサーまで一体化しているモデルは特に注意が必要です。

Q. 画面保護フィルムは貼っても問題ない？

A. カメラ穴とセンサー穴が十分確保された製品を選べば問題ありません。曇り止めコートがあると油膜が乗りにくく、暗さやフレア低減に有効です。