割れていなくても起こる「タッチ不良」— よくある初期症状

iPadは静電容量方式のタッチパネルを採用しています。画面に指先の電気を検知して反応するため、ガラス割れだけが原因ではありません。代表的な症状は以下です。

• 一部の領域だけタッチが効かない（端・上部・キーボード列など）
• スワイプが途切れる／長押しが効かない
• 触っていないのに勝手に反応（ゴーストタッチ）
• ペンの追従が遅い／誤差が出る

ガラス割れ以外の原因チェック 10項目

1）保護フィルム・ガラスの相性／浮き

厚みのあるガラスフィルムや、端が浮いた状態は感度低下の典型。ホコリ噛みや気泡で局所的に反応が鈍ることも。一度フィルムを外し素の状態で確認しましょう。

2）指先や画面の油膜・汚れ

皮脂やクリームの油膜は静電気の伝わりを阻害。マイクロファイバー＋少量のアルコール（水滴厳禁）で優しく拭き上げます。

3）湿気・水分の付着

浴室・キッチン・雨天の使用で微細な水分が付くと誤反応の原因。乾いた布で拭き、ケースを外して自然乾燥させてから再確認。

4）ケースやマグネットの圧迫

強磁力カバーや厚手ケースの局所圧迫でタッチパネルが誤動作することがあります。ケースを外して挙動を比較。

5）静電気・帯電環境

冬場の乾燥や化繊衣類は帯電しやすく、指先の電位変化を乱します。加湿・保湿、金属部に触れて放電すると改善する場合があります。

6）充電器・ケーブル由来のノイズ

規格外アダプタや劣化ケーブルは微弱な電気ノイズを発生し、ゴーストタッチの引き金に。Apple純正または認証製品で検証し、充電を外した状態も試します。

7）iPadOSの設定・ソフト

• タッチ調整（AssistiveTouch／タッチ調整）の有効化で反応が重くなることがあります。
• 新規アプリ・プロファイル導入直後は競合の可能性。セーフモード相当の再起動や設定リセットで切り分けます。

8）コネクタ周りの異常

Lightning／USB-Cポートの異常や基板側のグラウンド不良で感度が乱れるケース。異物清掃・別ケーブル/充電器で比較を。

9）バッテリー膨張の圧迫

膨張したセルが内側からパネルを押し上げると、タッチの死角やフレーム浮きが発生。背面の微妙な膨らみや画面の浮きを確認。

10）タッチIC・デジタイザの劣化

落下や熱ストレスの蓄積でタッチICやフレックスに微細クラック。症状が断続的→持続的に進行するのが特徴です。

まずは自分でできる安全なセルフ診断

1. 再起動（強制再起動）で一時的な不具合を除外。
2. フィルムを外す／画面・指を脱脂して動作確認。
3. ケース・キーボード・スタイラス等の外部機器を外す。
4. 充電器を外し、別の電源タップ／アダプタでも試す。
5. メモアプリで格子状にスワイプして死角の有無を確認。
6. 設定＞アクセシビリティ＞タッチで不要な機能をOFF。
7. 最新のiPadOSにアップデートし、改善を比較。

やってはいけない対処

• 濡れたままのアルコール拭き・過度な液剤の噴霧（浸水リスク）
• 強い圧での画面押さえつけ・曲げ（パネル割れ／液晶漏れ）
• 磁石の強いアクセサリ貼りっぱなしでの長時間使用
• 非認証ケーブルでの高出力充電の継続利用

修理が必要なサイン・目安と対応

以下に該当する場合は、パネル交換やバッテリー交換、まれに基板修理が必要になる可能性があります。

• 画面の一部〜広範囲が恒常的に反応しない／線対称に死角がある
• 充電状態に連動してゴーストタッチが出る（充電器変更でも同様）
• 画面が浮いている・フレームが広がっている（膨張の疑い）
• 落下・水濡れの直後から症状が悪化

当店では、データそのままでの部品交換に対応（在庫があれば最短即日）。費用はモデル・在庫・破損状況で変動します。見積は無料、まずはお気軽にご相談ください。

来店前チェックリスト（時間短縮になります）

• Apple ID／パスコードの確認（動作確認に必要）
• アクセサリ（ケース・フィルム・キーボード・ペン）を外して持参
• これまで試した対処（再起動・充電器変更 等）のメモ
• 水濡れの有無・発生タイミング・症状が出やすいアプリの情報