久しぶりの帰省。いとこ同士で盛り上がったり、長距離移動で動画を見せたり――その“ちょっとした油断”が、スマホの故障につながることがあります。ここでは、帰省中に起きやすい故障パターン5選と、現場で役立つ応急処置・NG行動・予防策を、修理店の視点でわかりやすくまとめました。データの写真や連絡先を失わないためにも、トラブルの芽は早めに摘んでおきましょう。

① 落下で画面バキバキ：走り回る・取り合いの“あるある”

室内外で走り回る子どもは、ソファや畳の上でも容赦なくスマホを落とします。特に床がフローリングや石畳だと、角からの一点衝撃でガラスがクモの巣状に割れやすく、タッチ不良・ゴーストタッチ・液晶漏れへ発展します。

応急処置

• 割れが広がらないようフィルムや仮の保護テープで固定
• ガラス片を落とさないようケースを外さずそのまま持ち込み

予防策

• ストラップホール付きケース／リングストラップを活用
• 保護ガラスやガラスコーティングで強度を底上げ
• 子どもに渡すときはソファ上など“落としても安全な場所”をルール化

② 水没・内部結露：川・お風呂・プール・雪遊び

田舎の川遊び、温泉や祖父母宅のお風呂、冬の雪遊び――帰省ならではのシーンで増えるのが耐水性能の過信によるトラブル。濡れた指での操作や温度差は、マイク穴やスピーカー穴からの吸水、内部結露を招きます。

応急処置

• 電源を落とし、SIMトレイを開けて通気（できればシリカゲル乾燥）
• ケース・フィルムを外し、水気をティッシュで押さえて吸い取る

予防策

• 浴室・露天・川辺では防水ポーチを使用
• 寒暖差の強い場所では一度ポケットで“温度ならし”
• 就寝前の浴室充電は厳禁（結露→腐食の温床）

③ 充電口の破損：差しっぱなし＆引っ張り事故

移動中の動画視聴でケーブルを差しっぱなしにすると、端子の曲がり・ピン折れ・基板側剥離を起こしやすくなります。小さな子がケーブルを引っ張る／噛むのも典型例。結果、充電ができない・PC認識しないなどの症状に。

応急処置

• 無理に抜き差ししない。端末を固定して垂直に抜く
• 濡れ・砂がある場合は何も差さず乾燥・除去を依頼

予防策

• マグネット式アダプタ／ワイヤレス充電の併用
• 寝室や車内ではL字型コネクタで曲げ応力を低減
• 子どもの手の届かない位置で充電（高所・専用ステーション）

④ カメラの曇り・ピント不良：レンズ割れと指紋・砂

屋外での撮影が増える帰省シーズンは、レンズの打痕・割れ・ガタつき、湿気による曇り、砂や皮脂でオートフォーカス迷走が起きやすくなります。子どもの手の指紋は意外と強固で、拭き跡が残ることも。

応急処置

• やわらかい布で円を描かずレンズ端から直線的に拭う
• 曇りが引かない・水滴が見える場合は無通電で持ち込み

予防策

• 突起カメラ用の段差フレーム＆レンズフィルムを装着
• 海辺・砂場ではジップ袋で保護して撮影
• 撮影係を大人に限定、子どもにはトイカメラを用意

⑤ 起動しない・リンゴループ：容量満杯＆発熱のダブルパンチ

動画撮影とアプリDLでストレージ満杯→アップデート失敗→リンゴループという流れは帰省あるある。さらに車内の直射日光やこたつでの使用で高温警告→シャットダウンも発生。無理な再起動連打はログ破損のリスク。

応急処置

• 充電しつつ30分放置で温度と電圧を安定させる
• 回復しない場合は強制再起動を1回のみ（連打しない）

予防策

• 出発前に空き容量20％以上を確保（不要動画を一括整理）
• 車内は直射回避・通気確保。こたつ内での充電は避ける
• 子ども用プロフィールやガイド付きアクセスで誤操作を抑制

今日からできる予防チェックリスト

• ストラップ付き耐衝撃ケース＋ガラス保護（もしくはガラスコーティング）
• 防水ポーチとジップ袋を旅行カバンに常備
• 家族共用スマホにはパスコード＆機能制限をセット
• 車内・新幹線ではL字ケーブル or ワイヤレス充電を使用
• 出発前バックアップ（iCloud/Google/外部SSD）

万が一のときの応急処置とNG行動