モバイルバッテリーの発火事故が全国で相次いでいます。にもかかわらず、リコール対象品の回収率はわずか21.6%。 この数字が意味する現実と、スマホ修理店の現場から見た今すぐ見直すべきポイントを詳しく解説します。
モバイルバッテリーの発火事故が増えている背景には、リチウムイオン電池の特性と使用環境の変化があります。リチウムイオン電池は高エネルギー密度を持つ一方で、劣化や衝撃、過充電・過放電に弱いという特徴があります。
特に近年は、大容量化・急速充電対応が進んだことで、内部セルにかかる負荷が大きくなっています。安価な製品の中には、保護回路や品質管理が不十分なものもあり、長期間使用することで発火リスクが高まります。
今回報じられた回収率21.6%という数字は、単なる統計ではありません。これは、リコール対象となった危険な製品の約8割が、今この瞬間もどこかで使われ続けている可能性を示しています。
修理店でも「ニュースを見て初めてリコールを知った」「対象かどうか調べたことがなかった」という声をよく聞きます。情報が十分に届いていない現状が、事故リスクをさらに高めているのです。
多くの方が見落としがちなのが、スマホ本体に内蔵されているバッテリーの存在です。劣化したスマホのバッテリーにモバイルバッテリーから給電すると、内部温度が急上昇しやすくなります。
この状態は「二重負荷」と呼ばれ、発熱・膨張・突然の電源断などのトラブルを引き起こす原因になります。モバイルバッテリーを頻繁に使うほど、スマホ側のバッテリー状態が重要になるのです。
スマホのバッテリーが劣化すると、単に電池持ちが悪くなるだけではありません。修理店では、以下のような症状がきっかけで来店される方が多くいます。
これらはバッテリー膨張や熱の影響による二次被害であり、放置すると基板修理や画面交換が必要になるケースもあります。
モバイルバッテリーの発火事故をきっかけに見直してほしいのが、スマホ本体のバッテリー状態です。バッテリー交換を行うことで、過度な発熱を防ぎ、モバイルバッテリーへの依存を減らすことができます。
結果として、充電時の安全性が向上し、日常使用時のストレスも軽減されます。「まだ使えるから」と先延ばしにするよりも、早めの交換が事故防止につながります。
発熱や膨張は突然進行することもあります。少しでも不安を感じたら、早めにご相談ください。