まずは原因を知る
通話が“こもる”とき、犯人はマイク穴だけじゃない
通話音声がこもる・小さい・遠いと言われるとき、多くは送話用マイクの音の通り道が塞がっていることが原因です。ただし、塞ぐ原因は1つではありません。ここでは物理的な詰まりとソフト/設定、そしてハード故障の3視点で整理します。
送話マイクの位置:多くのスマホは底面の小さな穴/スリットがメインマイク。上部や背面の小穴はノイズキャンセル(副マイク)で、ここが塞がっても音質が崩れます。
物理的な詰まり:意外な“日常のクセ”が原因に
- ポケット/カバンの綿埃・糸くず…ズボンやバッグ内の繊維が穴に圧着して詰まる。
- 皮脂・ハンドクリーム・ファンデの微粒子…油分が埃を固め、メッシュに膜を作る。
- 防水メッシュの目詰まり…防水機構の不織布に汚れが蓄積すると透過率が低下。
- ケース/ストラップの干渉…開口位置ズレやカバーが音路を部分遮蔽。
- 水濡れ後の乾燥不良…液滴や乾燥後のミネラル残渣が音路を塞ぐ。
ソフト・設定起因
- ノイズ抑制・通話HDの不具合…通話アプリやOS更新直後に相性トラブル。
- マイク権限の制限…特定アプリでのみ声が小さい時は権限を確認。
- 保護シールの貼りずれ…ケースと併用でマイク孔を僅かに覆うことも。
ハード故障
- 落下・圧迫による基板上のマイクIC損傷
- 充電口一体型のサブ基板故障(多くのAndroid・一部iPhone)
セルフチェック
自宅で5分!“詰まり”と“故障”を切り分けるチェックリスト
✅ ボイスメモ録音:端末を底面マイクに向けて話す→音が小さい/モコモコなら物理詰まりの疑い。
✅ スピーカーホール対面テスト:ケースを外し、清潔な場所で底面の穴に光を当てて透過性を確認。
✅ 通話アプリ切替:標準通話/LINE通話で差がある→アプリ側設定や権限の可能性。
✅ マイク位置の把握:上部の副マイク孔も塞がっていないか確認。
✅ 再起動&OS/アプリ更新:アップデート直後の不具合は再起動で改善することも。
改善しないときは?
録音も通話も全般的に小さい/途切れる → サブ基板やマイクIC不良の可能性。早めの診断が安全です。
正しいお手入れ
安全にできるマイク穴のクリーニング手順
- 電源を切る(または再起動用にバッテリー残量を確保)。
- ケースを外す:開口のズレをリセット。
- 柔らかいブラシ(清潔なカメラ用ブロアーブラシ等)でホコリを掻き出す。
- ブロアーで軽く送風:強すぎる圧縮空気は内部に押し込む恐れ。
- 無水エタノールを少量含ませた綿棒で周囲の皮脂だけをやさしく拭取る(孔の中へ押し込まない)。
- 完全乾燥後に録音テスト。改善が無ければ店舗へ。
やってはいけないNG
- 爪楊枝・針・金属ピンで突く(メッシュ破損・耐水機構の劣化)
- 掃除機で強く吸う/エアダスターで至近距離から噴射
- アルコールを大量に流し込む・水洗いする
- 両面テープを貼って剥がす(糊残りで逆効果)
ケース選び
ケース・フィルムが“声の通り道”をふさぐことも
ケースの開口が小さすぎる、保護フィルムが下端まで覆うタイプだと、微妙な角度でマイク孔に被さりやすくなります。購入前は「マイク開口の位置と大きさ」「スピーカー・副マイクの抜け」をチェックしましょう。ストラップホール付きのケースは、装着部品が底面に密着して音を遮ることがあります。
| アイテム | チェックポイント | 対策 |
| ケース | 開口位置が純正と一致/十分な径 | 対応機種専用品を選ぶ。ズレがあれば交換。 |
| フィルム | 下端がマイク孔に近接しない形状 | 小孔に被らない設計のものを選ぶ。 |
| ストラップ | 使用時に底面へ接触しない | 通話時はストラップを側面に避ける。 |
防水メッシュ
“聞こえない膜”の正体:防水メッシュの目詰まり
近年のスマホは小孔の裏側に防水メッシュがあり、ここに皮脂や微粒子が絡むと、外観が綺麗でも音が抜けにくい状態になります。過度なクリーニングで破ると防水性を失うため、強い力や鋭利な器具はNG。改善しない場合は、店舗で分解クリーニングやメッシュ部の交換対応をご相談ください。
修理の目安
改善しないときの“プロの手当て”と費用感
- マイク周りの分解クリーニング:短時間・低コストで改善するケースが多数。
- サブ基板(充電口一体)交換:通話・充電不具合を同時に解決できることも。
- 基板載せ替えレベル:落下や水濡れ後の重度症状は要診断。
※正確な費用・時間は機種・症状により異なります。受付時に無料見積りいたします。
データはそのまま:リペアフォース町田店では、原則としてデータはそのままの即日対応を心がけています。お急ぎの方もご相談ください。
予防策
“こもり声”を繰り返さないための日常ケア
- ポケットの糸くずが出やすい衣類では、底面を上向きにして収納。
- 通話の前後に、柔らかいブラシで軽くホコリを払う習慣を。
- ハンドクリーム直後の通話は避ける/ウェットティッシュで手を拭く。
- 防水モデルでも水没級の使用は厳禁。濡れたら素早く水分除去。
- ケース・フィルムは“マイク開口のクリアランス”で選ぶ。
FAQ
よくある質問
Q. 相手には普通、録音は小さい。どこを疑う?
A. 通話アプリ側の設定やノイズ抑制の相性が疑われます。アプリ更新/キャッシュクリア/権限の再付与を試し、改善しなければ店頭診断へ。
Q. 一時的に良くなってもすぐ再発します。
A. 防水メッシュに汚れが染み込み残っている可能性。分解クリーニングで改善が見込めます。
Q. イヤホン・スピーカー通話なら問題なし。
A. 本体マイク系統の不良が濃厚。サブ基板交換などで解決する可能性があります。
Q. 自分で穴を広げたら直る?
A. 破損・防水低下の原因になるため絶対に避けてください。安全な方法での清掃か、専門店にお任せを。