夜景や花火、イルミネーションは暗所でのシャッタースピードが遅くなり、手ブレが起きやすいシーンです。多くの場合は撮影姿勢や設定で改善しますが、近ごろ急にブレや滲みが増えた、昼間でもピントが甘いと感じているなら、レンズ（カバーガラス）やカメラモジュールの劣化が進んでいる可能性があります。

こんな症状は“レンズ劣化”サイン

• 夜景の点光源（街灯・花火）が星形のフレアやにじみ雲になる
• AF（オートフォーカス）が合焦→すぐ外れる、あるいは無限ループ
• 動画で微妙に揺れる/カタカタする（OIS不調）
• 昼間でもコントラストが低く、全体が白っぽい/眠い
• 望遠・超広角だけおかしい（個別モジュールの故障）

特に光源の形が不自然に伸びる、あるいは画面の端ほど滲む症状は、カバーガラスの微細傷やコーティング剥離で起きやすい現象です。

なぜ劣化する？—原因とメカニズム

1. カバーガラスの擦り傷・コーティング劣化
   ポケット内の砂塵/金属片、ケースとの干渉、布での“から拭き”の蓄積で微細傷が増え、点光源が滲みます。
2. 結露・湿気による曇り
   お風呂や雨天後、急な温度差で内部に微量の水分が残ると、曇りやカビのような影が写ることがあります。
3. 落下によるOIS/AFユニットのズレ
   磁力を使うOISは衝撃に弱く、ジンバル状の可動部がずれると常時ブレの原因に。
4. フレームの歪み
   圧迫・座り圧で筐体がわずかに歪むと、モジュールの焦点面が傾き、端が甘くなります。

自宅でできるセルフチェック（3分）

1. レンズ表面を湿式で優しく清掃（メガネ拭き＋少量のアルコールor精製水）。乾拭きは傷の原因。
2. 明るいLEDを撮影し、点がきれいな丸か確認。にじみ・尾を引く場合はレンズ/コーティング劣化の疑い。
3. 白い壁をフレームいっぱいに写し、斑点/影が出ないか確認（内部曇りやゴミの検知に有効）。
4. 動画を撮って、手を止めても微振動するか/OISの異音がないかチェック。
5. 標準・広角・望遠の各カメラごとに症状の有無を比較。

撮影時の応急対処とコツ（夜景・花火）

• スマホを両手＋支点（手すり/壁）で固定。タイマー2秒でシャッター押しブレを回避。
• ナイトモードは被写体が動く花火では軌跡が伸び過ぎることも。露出-0.3〜-1.0で白飛びを防ぐ。
• ズームはなるべく光学側に限定。デジタルズームはブレ/ノイズが増幅。
• 保護フィルムの切り抜きが狭い場合は一度外して比較。
• 湿度が高い会場では、レンズ周りを乾いた空気に晒す時間を作り、曇りを軽減。

修理で改善できること

リペアフォース秋葉原店では、データを消さずにレンズガラス/カメラモジュールの交換が可能です。症状に応じて最短30〜90分程度の店内作業でお返しできるケースが多く、旅行やイベント当日のトラブルでもご相談ください。

よくある質問

Q. ソフトウェア更新で直ることはありますか？
あります。AF/OISの制御が改善される場合がありますので、OS/カメラアプリの更新は先にお試しください。

Q. レンズガラスの上からコーティングで改善しますか？
コーティングは指紋の拭きやすさや耐傷性の向上に有効ですが、既存の傷による光の滲み自体は解消しません。傷が原因なら交換が近道です。

Q. 防水モデルでも内部が曇るの？
はい。防水は常温・新品相当の条件での等級です。経年/衝撃でシール性が低下すると結露の可能性があります。