「雨の日や湿度の高い日に、カメラを起動すると白っぽく曇ってピントが合わない」――そんな経験はありませんか?一時的な曇りであれば自然に改善することもありますが、内部に水分が侵入して結露が起きている場合は要注意。放置するとレンズやセンサーの腐食・サビ・ショートにつながり、最悪データ消失を招くこともあります。本記事では、“安全な曇り”と“危険な結露”の見分け方、今すぐできる応急処置、やりがちなNG行為、再発防止策までをやさしく整理します。
- 外気と本体の温度差による曇りは時間とともに消えることが多い
- レンズ内側が曇る/水滴状ににじむ/黒シミと同時発生 → 結露=水分侵入の疑い大
- 冷蔵庫で冷やす・ドライヤーの熱風はNG。電源を切り、SIMトレイを開けて静置・乾燥が基本
- 再発するなら防水パッキン劣化や落下歪みの可能性。分解点検・パッキン再施工で改善
Why 雨の日に曇る仕組み ― 温度差の曇りと“危険な結露”
カメラの曇りは大きく2種類あります。ひとつは、温度差で空気中の水蒸気がガラス表面で凝結するパターン。室内から屋外へ、冷房の効いた店内から蒸し暑い外へ移動した直後などに起こりやすく、表面水分が揮発すれば回復します。もうひとつは、筐体内部に侵入した水分がレンズやセンサー付近で結露するパターン。こちらは水没の前兆で、繰り返す・黒いシミやにじみと併発する・温風で一時的に消えてもすぐ戻る、といった特徴があります。
・外側だけ拭くとすぐ改善→表面曇りの可能性が高い
・レンズ内側の輪郭がぼやける/点光源が花火のように広がる→内部結露の疑い
・望遠側のみ、広角のみなど一部のカメラだけ曇る→ユニット周辺の密閉不良を示唆
First Aid いま曇っている時の応急処置
- 撮影を中止して電源をオフに。通電中はショートや腐食が進行します。
- ケースやアクセサリを外す。放熱と乾燥を妨げる要因を取り除きます。
- SIMトレイを開け、下向きで静置。トレイ開口は乾燥の逃げ道になります。
- 送風のみでゆるやかに換気(温風・熱風は絶対NG)。
- 可能なら乾燥剤(シリカゲル)と一緒に密閉容器で半日~1日。米びつは粉塵混入の恐れがあり推奨しません。
Risk 曇りが“繰り返す”のは要警戒 ― パッキン劣化のサイン
一度内部に水分が入った端末は、カメラベゼル・背面パネル・ボタン部の防水パッキンが劣化していることが多く、湿度の高い日や雨天で再発します。落下・曲げによるフレーム歪み、レンズカバー割れ、ケースの反りなども密閉性を低下させます。再発例では、分解点検→パッキン再施工→必要に応じてカメラユニットの洗浄/交換で安定化が期待できます。
Check 自己診断チェックリスト
- ☑ レンズ内側の曇り/水滴状のにじみが見える
- ☑ 点光源が放射状ににじむ/ゴーストが出る
- ☑ 曇りと同時に黒いシミ(撮像素子の水滴影)が現れる
- ☑ 雨に濡れた・お風呂場で使った・汗をかいたポケットに入れた直後から症状が出た
- ☑ 乾燥させても数日で再発する
2つ以上当てはまる場合は、内部結露の可能性が高いためプロの点検をおすすめします。
Prevent 再発させないための防湿・防水ケア
| 対策 | ポイント |
|---|---|
| ケース選び | 密閉しすぎず放熱性のある素材を。レンズ周りに段差があるものは結露水が溜まりにくい。 |
| ガラスコーティング | レンズの撥水・防汚で曇り復帰後の撮影品質を安定。小傷の映り込みも低減。 |
| 防水パッキン点検 | 落下や経年で性能低下。背面開口を伴うバッテリー交換後は再施工が安心。 |
| 使用環境 | 雨天の撮影は短時間・濡れ拭き→乾拭きの順。浴室・サウナ・プールサイドでの使用は避ける。 |
| 保管 | 帰宅後はケースを外して換気。湿気を帯びた布でのレンズ拭きは避け、乾いたマイクロファイバーで。 |
Repair 修理の流れと目安
- 店頭で無料点検:曇りの場所(外側/内側)、再発頻度、落下歴、バックアップ状況を確認。
- 分解乾燥・洗浄:カメラユニット・コネクタ周りの水分と腐食を除去。必要に応じてパッキン再施工。
- ユニット交換:センサー汚染やレンズ内曇りが残る場合は交換で画質復帰を狙います。
- 防水テスト:筐体の歪みやわずかな浮きを点検し密閉性を回復。
※ モデルや症状によりベストな対応は変わります。データはそのままでお預かりできますのでご安心ください。
FAQ よくある質問
Q. 曇りは自然乾燥で必ず直りますか?
A. 表面の曇りなら改善しますが、内部結露や腐食が始まっている場合は再発します。繰り返すと画質低下やAF不良に発展しやすいため点検を。
Q. シリカゲルで直ったように見えます。もう大丈夫?
A. 一時的に見えるだけで、パッキン劣化が残れば再発します。防水再施工と内部確認が安心です。
Q. 保険やメーカー保証は使えますか?
A. 破損・水濡れ扱いは条件が分かれます。ご加入内容により異なるため、お見積と診断レポートをご用意します。
リペアフォース町田店
〒194-0013 東京都町田市原町田4-11-13 天野ビル4F(Oashis店内)
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