割れていなくても起こる「電源ボタン不良」— よくある初期症状
- 短押し・長押しの判定が安定せず、反応が遅い/抜ける
- 押し込みが固い・戻りが悪い・引っかかる
- 押下感がなく「スカスカ」する(陥没)
- 押していないのに画面が点灯/消灯する(接点不良)
最近の端末は、ボタンの下にフレックスケーブル+タクトスイッチ基板があり、微細なクラックや腐食で「たまに効く」状態が続くことがあります。
ガラス割れ以外の原因チェック 8項目
1)フレックスケーブルの断線・クラック
落下やねじれで導通が不安定に。振動で一時的に直ることもありますが再発します。
2)タクトスイッチの摩耗・酸化
押下回数の多い電源ボタンは経年で接点抵抗が上昇し、反応遅延の原因に。
3)フレーム歪み・防水パッキンの噛み込み
常時圧で動きが渋くなる/戻りが悪くなるケース。ボタンキャップの削れも要確認。
4)液体侵入・腐食
汗や雨滴でも腐食が進行。押すと沈むが反応しない症状に。
5)ケースやフィルムの物理干渉
厚手ケースや堅い樹脂がボタン周縁を圧迫し、押下を阻害することがあります。
6)バッテリー膨張のフレーム押し上げ
内部圧でフレームが広がるとボタンのストロークが不自然に。発熱も併発しやすいです。
7)ソフト設定の影響
誤操作防止・タッチ調整の設定により、長押し判定が遅く感じることがあります。
8)基板側タクト損傷
重度。外装交換では改善せず、基板実装修理が必要なケースです。
まずは自分でできる安全なセルフ診断
- ケース・フィルムを外す(干渉を除外)。
- 再起動/強制再起動で一時不具合を除外。
- AssistiveTouch/画面内ボタンを有効化し、代替操作で様子を見る。
- OSアップデートと不要なアクセシビリティ設定の一時OFF。
- 発熱を冷ます(直射日光・高負荷アプリを避ける)。
電源が切れない場合は、電池切れまで待つよりも仮想ボタンでスリープ運用に切り替え、早めに診断へ。強制再起動の手順は機種により異なります。
やってはいけない対処
- ピンや針でこじる/隙間へ注油・接点復活剤を吹き込む
- 強く連打・押し込み続ける(基板側スイッチ破損の恐れ)
- ドライヤーや冷却スプレーで急激に温度を変える
- 水場での操作(防水でも腐食・浸水の原因)
修理が必要なサイン・目安と対応
以下に該当する場合は、ボタンフレックス交換やフレーム調整、場合によっては基板実装修理が必要になる可能性があります。
- 押しても全く反応しない/長押しが効かない
- ボタンが陥没・物理的に戻らない/フレームに噛み込む
- 水没痕(赤いインジケータ)や腐食の兆候がある
- 発熱やバッテリー膨張と併発している
作業目安:軽症(フレックス交換)最短60〜120分/中度(洗浄・調整)半日〜/重度(基板実装)1〜数日。見積は無料・データそのままで対応します。
電源が切れなくなると、フリーズ時の強制再起動ができずデータ保護に不利です。早めの点検でリスクを下げましょう。
来店前チェックリスト(時間短縮になります)
- 端末のロック解除コード/FaceID・TouchIDが使えるか確認
- 購入時の箱・アクセサリは不要(ケースは外してお持ち込み推奨)
- 症状の出やすいタイミング(発熱時・充電中など)をメモ
- バックアップの有無(iCloud/Google)の確認
よくある質問
Q. 電源が入らず診断できません。持ち込めますか?
A. 可能です。通電がなくても外装・接点の物理診断や仮電源でのテストを行います。状態次第でデータ保持を優先した提案をいたします。
Q. 音量・ミュートボタンも不調です。同時修理は可能?
A. 同一ハーネスで連結される機種は同時交換が効率的です。工賃の一本化が可能な場合があります。
Q. 保証はありますか?
A. パーツ品質・初期不良に対する店舗保証をご用意(期間は機種・メニューにより異なります)。詳細はお見積時にご案内します。