① ユラユラ揺れる(画面が波打つ)
広角/超広角で歩行撮影時に画面端がゴムのように伸び縮みするのは、EIS(電子式)のトリミングやローリングシャッターが原因。被写体や背景が斜めに歪む“ゼリー現象(Jello)”が出やすい条件は、低照度・長い露光・60fps未満です。
② カクつく・急に視点が跳ぶ
歩行中や構え直しでフレームがガクッと飛ぶのは、OIS(光学式)とEISの協調が乱れているサイン。レンズユニットの制御が遅延したり、ケースやマグネットの影響でセンサーが偏っていると発生します。
③ 中央は安定、周辺だけワープ
電子式の空間ワープ補正の副作用。広角の周辺収差や魚眼的歪みに補正がかぶさり、端だけグニャッと動く印象に。超広角で顕著です。
④ 望遠で細かくビリつく
望遠側は画角が狭く、微小な手振れが拡大されます。OISが効いていても、シャッタースピードが遅い・手持ち姿勢が不安定・風などで微振動が映像化されます。
低照度=露光が長くなり、EISの余裕(クロップ域)が減ります。結果として“歪み”や“ガクつき”が増大しがちです。
OIS(光学式手ぶれ補正)の挙動
レンズやセンサーを物理的に動かして像を安定化します。強い振れには強い反面、磁石内蔵の車載ホルダー・ケース・財布型マグネットが近いと、ホールセンサーが誤検知して動作が不安定化することがあります。
EIS(電子式手ぶれ補正)の挙動
フレームをトリミングして合成。十分な明るさと高フレームレートで効果を発揮しますが、暗所・望遠・超広角の端では歪みやワープが目立つことがあります。
撮影条件が与える影響
- 露光時間:1/60秒より遅いと歩行ブレが残りやすい。
- フレームレート:24/30fpsはブレに弱く、60fps以上で改善する場面が多い。
- HDR/手ぶれ補正の競合:処理負荷でフレーム落ち→カクつきの一因。
- 温度:高温時はSoCがスロットルし、EISの追従が鈍ることも。
チェック① 設定の見直し
- 解像度を4K→1080p/60fpsに変更(EIS余裕を確保)。
- HDR/高効率コーデックを一時OFFにして挙動比較。
- 超広角/望遠ではなく広角(標準)で検証。
- iPhoneはアクションモード/手ぶれ補正のON/OFFを比較。
- Androidは「動画安定化」「スーパー手ぶれ補正」等の項目を比較。
チェック② ハードの切り分け
- レンズの指紋/油膜を拭き取り。
- マグネット付きケース/車載ホルダーを外す。
- 三脚や卓上で静止撮影し、症状が消えるか確認。
- カメラアプリを別アプリに変えて比較。
- 再起動・設定リセットで一時的なキャッシュ不具合を除外。
歩く速度と“カメラの上下動”を分離
かかと着地の“コツン”を膝で吸収し、つま先から静かに置く意識で。手は胸の前で固定し、歩幅を小さめに。
パン(左右振り)は“止めてから動く”
止→パン→止の三拍子で、EISの予測が安定。連続的にぐるぐる回すとワープが出やすくなります。
ズームは“段階ズーム”より“光学切替”で
途中のデジタル域はブレが強調。可能ならレンズ切替ポイント(広角⇔望遠)で一度止めてから切替を。
暗所では“ISOを抑える or 60fps維持”
明るさが足りないと露光延長でブレ増。照明追加・撮影時間帯の調整・フレームレート優先が有効です。
- 静止してもフレームが微妙に揺れる(OISが勝手に動く)。
- 外装ダメージ後から急に発生し、全アプリで再現する。
- マグネットを外しても改善せず、写真にも微ブレが出る。
- カメラ起動でジジ…と異音、フォーカスがさまよう。
当店ではユニット交換・ケーブル/コネクタ点検・磁気の影響確認・ソフト診断まで、データそのまま最短即日でご案内可能です(機種・在庫により異なります)。
Q. 手ぶれ補正はOFFにしたほうが綺麗ですか?
A. 歩行や望遠ではONが基本。一方、三脚固定・パン主体・超広角の歪みが気になる場合はOFF比較を推奨。
Q. ケースの磁石はどのくらい影響しますか?
A. OISは磁場に敏感です。カメラ周りに磁石が近い構造は避け、車載ホルダーはクランプ式が無難です。
Q. アプリの“強力手ぶれ補正”で画角が狭くなる…
A. EISはクロップが前提。1080p/60fpsなど余裕のある設定で運用し、必要に応じて広角レンズを選択しましょう。