こんな症状は「埃詰まり」を疑う

• コネクタが最後まで入らずカチッとロックしない／すぐ抜ける。
• 充電が角度次第でしか始まらない／車内だけ不安定。
• ケーブルを替えても改善しない（純正でもNG）。
• コネクタを抜くと綿埃の塊が先端に付く。

特にポケットやバッグにそのまま入れる習慣がある方、作業現場やアウトドアで砂塵に触れる機会が多い方は要注意です。

やってはいけないNG作業

• 金属工具の使用：端子ピンや内壁（リテーナー）を傷つけショートの原因。
• 勢いよくエアを連続噴射：結露で水滴が入る／埃をさらに奥へ圧縮。
• 接点復活剤・接点グリスの塗布：スマホ内部に流入し故障や発火リスク。
• 水洗い：防水機でもコネクタ部は弱点。腐食や保護膜ダメージの恐れ。
• 針や安全ピン、ステンレスピック：微小な傷で通電してもデータが飛ぶなど不安定化。

安全にできる清掃手順（自宅でOK）

① 電源を切る・アクセサリを外す

ショート防止と静電気対策のため、端末の電源を切りましょう。ケースやストラップ、MagSafe系アクセサリも外して作業スペースを確保します。

② 目視＆粗取り

懐中電灯で奥を確認。木製つまようじ（先端を少し平らに削ると安全）で、底面をこすらず側壁に沿って軽く掻き出します。Lightningは中央の“島”を折らないよう特に優しく。

③ 微細ゴミの除去

ノンフロンのエアダスターを短く2〜3回。缶を振らず、逆さ噴射しないのがコツ。飛び出した埃は柔らかい刷毛で払います。

④ 仕上げ拭き

無水アルコール（99%目安）を無毛スワブに極少量含ませ、端子の表面だけをサッと拭きます。内部に液が入らないよう注意。1〜2分乾燥させてから動作確認。

清掃後のチェックリスト

• コネクタが最後までスムーズに入り、ロック感がある。
• 軽く揺すっても充電が途切れない。
• データ転送（PC接続／CarPlay／Android Auto）が安定する。
• 他のケーブルでも同様に安定している。

これらが揃えばひとまずOK。改善しない場合は端子の物理破損や基板側の充電ICなど、別要因の可能性が高くなります。

清掃しても直らない時は？（修理目安）

• USB‑C／Lightning端子がガタつく、斜めに傾いている。
• 差し込むと発熱や異臭を感じる。
• 充電はできるが、PCが認識しない（データ線断線の疑い）。
• ワイヤレス充電は可、ケーブル充電だけ不可。

これらはドックコネクタ（充電ポート）や付随ケーブルの交換、または基板診断が必要なサインです。データはそのままで点検可能ですので、ご来店をご検討ください。

再発を防ぐ予防策

1. ポートカバー：砂塵環境や通勤時のバッグ内で有効。
2. 定期ブロー：週1回の軽いエアブローで堆積を防止。
3. ケース選び：差込口が狭すぎないものを。無理な角度の負荷は断線の元。
4. ケーブルの衛生：端子先端も時々拭き取り。綿埃の持ち込みを減らせます。
5. ワイヤレス充電の併用：端子の物理摩耗を軽減（※熱に注意）。

よくある質問

Q. つまようじで壊れませんか？

A. 木製は弾性があり安全性が高い道具です。力を入れすぎない、中央のピンに当てない、これを守れば問題はほぼ起きません。

Q. 接点復活剤は効果がありますか？

A. スマホの充電端子では推奨しません。液剤が内部に回り、他回路を劣化させるリスクが上回ります。

Q. エアダスターで白い霜がつきました…

A. 急激な冷却で結露した状態です。完全乾燥するまで通電せず、室温でしばらく放置してください。

Q. ワイヤレス充電だけ生きています

A. 端子側の物理不良の可能性が高いです。端子交換や基板診断をご案内します。

まとめ

USB‑C／ライトニング端子の埃詰まりは、正しい道具と順序で対処すれば多くが自力で改善できます。とはいえ、金属工具は絶対に使わない、無理にこじらない、液剤を流し込まないの3原則は厳守を。改善しない場合や発熱・異臭・がたつきがある場合は、早めに専門店へ。端子は充電だけでなくデータの生命線です。状態が悪化する前に点検をご依頼ください。